商号または名称についての要件

宅建業免許の申請は個人、法人のいずれでも可能となっています。しかし、申請者の商号または名称が、法律によって使用を禁止されている場合などに該当すると、申請を受け付けてもらえないことになりますので注意が必要です。

次のような商号、名称の場合は登記の変更が必要になる可能性があります。

・法令上、その商号、名称の使用が禁止されているもの
・地方公共団体または公的機関の名称と紛らわしいもの…「○○公社」、「○○協会」など
・指定流通機構の名称と紛らわしいもの…「○○流通機構」、「○○流通機構、○○流通センター、○○不動産センター、○○住宅センター、○○情報センター」など
・個人業者の場合…法人と誤認されるおそれのあるもの
・算用数字のほか、変体がなや図形、符号等で判読しにくいもの

また、法人の場合は、登記されている事業の目的欄に、宅建業を営むことが記載されている必要があります。「不動産の売買」「不動産の売買の仲介」「不動産の賃貸」「不動産の賃貸の仲介」など、宅建業免許が必要となる目的が1つ以上記載されていれば大丈夫です。これから登記するのであれば、「不動産の売買、賃貸及びその仲介」と記載しておくのが一般的ですので参考にしてください。

宅建業を営む事務所

宅建業では、事務所は重要な意味を持ちます。事務所の所在が免許権者を定める要素になっていることや、事務所ごとへの専任の取引主任者の設置、事務所の数によって営業保証金の供託金額が異なってきたりすることからも事務所の重要性がわかります。

宅建業免許における事務所は重要な意味がありますので、宅建業法でも、事務所とは「本店、支店その他政令で定めるものをいう。」と規定し、明確化を図っています。政令で事務所として定められているのは次の2つです。

1.本店または支店

本店または支店として登記されたものは事務所になります。本店登記された事務所は、宅建業を本店で営まなくても事務所となり、営業保証金の供託と専任取引主任者の設置が必要となります。支店で行われる宅建業について、本店は何らかの管理機能を果たしていると考えられるからです。支店については登記されている支店であっても宅建業を行わないのであれば事務所としては取り扱いません。

2.本店、支店のほか、継続的に業務を行うことができる場所で、契約を締結する権限を有する使用人を置く場所

上記のような場所は支店登記をしていなくても、実体上は支店と同様の機能を持つといえるので、支店という名称でなくても、従たる事務所として取り扱います。

宅建業を営む事務所の形態

宅建業の事務所は一般的な解釈としては、物理的にも社会的にも宅建業務を継続的に行える機能をもち、事務所として認識される程度に独立した形態を備えていることが必要です。そのため、一般の戸建の住宅やマンションなどの一室や一部を事務所として使用することや同一フロアに他の法人と同居すること、仮説の建築物を事務所とすることなどは原則として認められていません。

ただし、次の場合は、事務所として認められる場合があります。

■戸建の住宅の一部を使用する場合
・住宅の出入り口以外に事務所専用の出入り口がある
・他の部屋とは壁で間仕切りされている
・内部が事務所としての形態を整えており、事務所だけに使用している

イメージとしては戸建の1階部分が店舗になっているようなケースです。住居と事務所が完全に分かれていなければ宅建業を営む事務所としては認められません。

■同一フロアに他の法人等と同居している事務所の場合
・それぞれの会社がそれぞれに出入り口を持ち、他社を通ることなく出入りができる
・高さ180cm以上のパーテーションなど固定式の間仕切りで独立性が保てていること

独立性が確保できていなければいずれにしろ難しいということになります。


「うちの事務所はどうだろう?」とか「この物件はどう?」というような質問があるときはいつでもご相談ください。特に会社を設立して宅建業免許の取得を考えている方などは、安易に本店登記をしてしまわないように注意してください。

お問い合わせ→宅建業お問い合わせフォーム

専任の取引主任者の設置

宅建業の取引主任者は、宅地建物取引主任者資格試験に合格後、取引主任者資格登録をして、宅建取引主任者証の交付を受けている者のことを言います。宅建業免許申請の際に設置する取引主任者は、単に試験に合格しているだけでなく、登録をしている必要がありますので注意してください。

宅建取引主任者には、事務所ごとに専任の状態で設置しなければならない専任の取引主任者と、それ以外の一般の取引主任者とがあります。専任の取引主任者でも一般の取引主任者でも重要事項説明をする業務の内容は変わりませんが、専任の取引主任者は一つの事務所に専任でいなければなりません。

では、この「専任」とはどういうことなのでしょうか。

宅建業免許において、専任とは、「常勤性」と「専従性」を満たしていることをいいます。つまり、事務所に常勤しており、宅建業に従事している必要があるのです。例えば、複数の支店で取引主任者を掛け持ちしたり、宅建業以外の仕事をしたりすることは専任の取引主任者には認められないのです。

また、専任の取引主任者はその事務所で働く従業員数の一定数以上の割合で設置しなければなりません。この一定数は国土交通省令で定められており、現在は宅建業を営むひとつの事務所において、業務に従事する5名に1名が専任の取引主任者でなければならないとされています。専任の取引主任者が不足した場合には2週間以内に補充しなければならないことになっています。

専任の取引主任者が事前にしておくこと

宅建業免許の申請を行う際には、専任の取引主任者に就任する方は、取引主任者資格登録簿に勤務先名が登録されていない状態であることが必要になります。以前の会社を退職しても自動的に取引主任者資格登録簿の勤務先は消えません。取引主任者の方が自分で申請をして取引主任者資格登録簿から勤務先を抹消しなければならないのです。

宅建業免許の申請を行う際に、専任の取引主任者が以前の会社で登録されていると、受付は完了しませんので、事前に勤務先を抹消しておく必要があります。

取引主任者資格登録簿から勤務先を抹消するには、その会社からの退職証明書などが必要になります。これから退職して事業を起こす方や、別の会社の会社で専任の主任者に就任する方は、退職証明書は後から用意するのはいろいろと手間がかかるので、退職する際にもらっておくことをおすすめします。